〜岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会 結成集会アピール〜

平和で安心できる暮らし、環境を守るために

際限のないジェットエンジンの爆音で「会話が途切れる」、「テレビの音も聞こえない」「ひきつけを起こした」、「頭痛、めまいがとまらない」、「赤ちゃんが寝られない」、「受験勉強に身が入らない」、「いつ墜落するのか不安」など、周辺住民に肉体的、精神的苦痛を与えてきた神奈川県にある厚木基地の米軍機が、私たちの住んでいる街の上空を飛び、平穏な生活を妨げようとしています。

日米両政府は10月に、厚木基地にある空母の艦載機部隊を山口県の岩国基地に移駐させることに合意し、「中間報告」として発表しました。現在進められている岩国基地の新滑走路の沖合工事が完成すれば、2008年にも部隊の移転をするというのです。

飛行コースはまさに広島県西部の上空を飛び、今の倍以上となる100機もの米軍機が昼も夜も関係なく頻繁に離着陸することになります。そうなれば、日々爆音に悩まされ墜落など事故の危険におびえながらの生活を強いられることになってしまいます。

また、特別史跡・特別名勝であり、天然記念物瀰山(みせん)原始林をもち、さらに世界遺産に指定されている宮島の生態系にも甚大な悪影響を与え、宮島にしかいない絶滅危惧種のミヤジマトンボの絶滅や厳島神社の伝統と文化行事に必要な御烏(こがらす)が出現しなくなるなど、宮島の自然と文化を破壊する危険性も指摘されています。

さらに、空母艦載機の移駐によって、広島県北部での低空飛行をはじめとする飛行訓練は増加し、また、夜間離着陸訓練(NLP)をはじめとする空母艦載機の恒常的な離着陸訓練施設が必要となり、県民の反対で一度は計画が挫折した江田島市の大黒神島を含めて候補地を選ぶ動きもあり、被害は多くの県民に広がることが予想されます。

住民の平穏な生活と安全が脅かされると広島県と岩国市周辺の自治体も部隊移転は「容認できない」としています。藤田広島県知事も山下廿日市市長を会長とした3市旧2町の首長、議長で構成する「移転反対期成同盟」もたびたび、国へ中止要請をし、地元自治会も移転反対の署名運動に取り組んでいます。
しかし、国は、「中間報告」直前に具体的な話をせずに、地元の意向を無視したままで来年3月には、「最終報告」を出そうとしています。

私たちは、だれもが平和で安心な暮らしを求めています。そのために、私たちは「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」を立ち上げました。住民と行政が一体となって計画の白紙撤回の世論と運動をひろげていきましょう。

被爆地ヒロシマ、世界遺産宮島をもつ住民として。子や孫に誇りある街を残すためにも、今こそ大きく声を出していこうではありませんか。

2005(平成17)年12月3日
「岩国基地の拡大・強化に反対する広島県西部住民の会」結成集会 参加者一同



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岩国基地の拡張・強化に反対します!



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